祭りだ。
おすすめのスポーツ漫画を紹介。
ベスト3(異論は認める)
『あさひなぐ』
・薙刀の世界観が秀逸。澄み切った空気、底に秘めた凛とした強さがしっかり表現されている。
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・物語の幅の持たせ方が秀逸。高校スポーツでは当たり前だが高校が場の中心になり、そこにどう奥行きを持たせるかが腕の見せどころの一つ。この漫画ではお寺での修行があり、本筋を薄めることなく補強する形で物語に奥行きを持たせている。河合克敏の爽やかな名作『帯をギュッとね!』における警察での修行を超えている。
・宮路真春が素晴らしい。憧れの先輩で天才で天然であって可憐。1ページ丸ごと使っての立ち姿の美しさよ。
・空手『瞬きより迅く』ふなつかずき、柔道『もういっぽん!』村岡ユウなど、超人にならずに高校生のままでいることが原因なのかどうかは分からないが、武術系統の女子高校生スポーツ漫画には傑作が多い。
『鮫島、最後の一五日』
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・熱血漫画は数あれど大差をつけて圧倒的に熱い。まだその先があるのかと、ひたすら熱くおし続ける相撲漫画。
・大相撲における張り詰めた緊張と一瞬の爆発、熱さと限界のその先にある無の素晴らしさ。道を極めた、まさに究極の姿が描かれずともともしっかり表現されている。
『アオアシ』
・小林有吾
・鳥の眼でフィールドを俯瞰することによるサッカーの面白さ。
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・プロのサッカー選手はどれほど超人的なのかを知らしめる。プロに直結しているクラブチームを舞台にしているので奥行きが出る。高校サッカーを絡めることでも奥行きを出す。
・奥深さといえば、監督を主人公にした『GIANT KILLING』ツジモト、体の使い方を主人公にした『フットボールネーション』大武ユキなど、サッカー漫画バリエーションが豊富なのは何故なのか?道具も使わず、単純なルールのもとで、ボールを蹴るだけだからこそ。
・漫画としての偏差値が異様に高い。名言が豊富。熱くてクールな絵と演出。スピード感、場面展開や回想のバランスの良さ。歴史に残る傑作。
エントリー
『スプリンター』
・小山ゆう
・短距離走における張り詰めた緊張と一瞬の爆発がうまく表現されている。
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・感覚が研ぎ澄まされるとどうなるのか、肉体の限界を越えるとどうなるのか、それを超えた光の先にあるものは何なのか。
・魚豊『ひゃくえむ。』がスマートに思考に振るのに対し、こちらは泥臭い絵柄で最後まで肉体に固執し続けている。
・単純に走るというだけの100m走がなぜ陸上の花形なのかがよくわかる。
『ヨリが跳ぶ』
・ヒラマツ・ミノル
・バレーボールの躍動感を表現した漫画としては随一。
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・狭いコート、ボールの滞空時間の長さというバレーボールの持つ特色をうまく活かし、計算され尽くされたアングル、コマ割り、スピードによって、ダイナミックにヨリが「跳ぶ」。
・天然、天才、凡才がたくさん登場するが、天然ぶりの凄まじさも見どころのひとつ。
『MIX』
・あだち充
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・あだち充の作品は何を読んでも似ているのだが何を読んでもいつまでも面白いということは驚異的。何が異なっていてなぜ面白いのかを詳細に研究する価値があると思われるが、どんなにうまく説明されても分析を超えていく作品の力があるのだと思う。落語か。
よき宴を。
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