祭りだ。
2023冬のテレビドラマの紹介。今期は年間ベスト級の作品があったぞ。
『6秒間の軌跡〜花火師・望月星太郎の憂鬱』、『相棒』、『夕暮れに、手をつなぐ』、他。
ベスト3(異論は認める)
『6秒間の軌跡〜花火師・望月星太郎の憂鬱』
・三人で家で話をしているだけなのに見てしまう。しかも面白い。幽霊とかどうでもよくなるほど超自然体。スーパーナチュラル。
・いい表情、カッコいいセリフだ、これはうまい、目を閉じたなどと思うこともなく、ただ単に画面を眺めていれば幸せになれる稀有なドラマ。頭を空っぽにして夜空の花火をただただ見上げるように。
・それを作り出している繊細な職人の技。脚本と演技と演出がいいのだろうが、舞台と違って映像としてアングルが変わり、目玉焼きや新聞が写る。ちゃんと映像としての、テレビドラマとしての力がある。
・芸達者な二人に挑むのは本田翼。おじさん成分が高そうなのですんなり馴染めそう。
・演技の上手下手に関しては本人の資質は50%くらいだろう(それでも大きいが)。残りはその作品全体の出来による。共演者、脚本、演出、カメラ、セット、小道具など全てが一体となって作品はできているので演技がそれに左右されないわけがない。下手に見えるのはそう見る人とそう見せる作品のせい。
・本田翼を大空に輝かせるのが(輝きなどなくても大丈夫な)橋爪功、高橋一生をはじめとした全スタッフの責任。ドラマはそうやって連綿と続いてきたしこれからも続いていく。この作品が終わった時、本田翼は、50年先も眩い光を放つ日本テレビドラマの希望となる。
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・橋爪功の「ありがとな」の一言で、本田翼が菩薩となった、大胸筋とかりんとうが印象的な名作ドラマ。
・父親&幽霊役(小さくなったりして楽しい)の橋爪功、息子&お子ちゃま役(本当に声だけ大きくて気持ちを言葉にできないなこのお子ちゃまはとイライラさせもした)の高橋一生に対し、時には謎の女、時には恋人、またある時には幼馴染、さらに弟子、そして母へと、次々と変わる役柄を何事もなく受け流し演じる本田翼の素晴らしさ。ああ、これは将来いい母ちゃん役ができるなと思わせた。
・憂鬱、ブルーに対しての赤いマフラー。抑えた色彩のセットや小道具に、赤と花火が浮かびあがる。「望月星太郎の冒険」として黄色と緑をモチーフにした続編ができるな。
・最終回、最終場面、カメラが花火のようにのぼり、一軒家の撮影セットを上から望む。狭いセットから生み出された、花火のようなでっかい世界の豊穣さ。
相棒season21
・見てしまう。亀山薫。
・安定。周りが変わっていくなかでの亀山薫の若々しさは驚異的。
・刑事ドラマだから事件が起こるのはしょうがないが、犯罪を未然に防ぐ杉下右京をもっと見てみたい。
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・結局最後まで見た。13話「椿二輪」19話「再会」が好みでした。
『夕暮れに、手をつなぐ』
TBS。金曜夜10時。王道のラブストーリー。
・方言、目立ちすぎるアップルウォッチなどツッコミどころは満載だが、広瀬すずが全てを洗い流す。
・せっかくいいセリフが続くのだから「おんなじ曲きいちょった」は余計だし、その後にバスルームのシーンがあるのだから救急箱の鋏を写すのも余計。そうした方がいいと言われたのか思ったのか癖なのか万人向けのテレビドラマの定石なのか知らないが、そういう一つ一つが作品の完成度を落としていくのだが、永瀬廉が全てを洗い流す。
・これからの変化を織り込んでの初回の演技。空豆と音が、広瀬と永瀬がどう変化していくのか。
・「おい待てそこの大東京」、夏木マリへのお土産など印象的で効果的なシーンが満載で経験豊富な脚本と演出の力を感じさせる。映像は言うまでもなく素晴らしい。
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・2話目は見たのでここに置いておく。何だか世界がいきなり小さくなったような気がした。
エントリー
『100万回言えばよかった』
TBS。金曜夜10時。ゴーストファンタジー。
・そろそろ見るのをやめようかなと思っていたところ松山ケンイチが登場してからグンと面白くなった。松山ケンイチの、あるであろう二面性が楽しみ。
・リアリティとファンタジーの配分加減が難しい分野。ファンタジーとしての説得力を持たせることも難しい。料理人が塩と砂糖を間違えることはあり得ないので別のアイデアを考えるかそこに説得力を持たせる状況を作り出すのか思案のしどころのはず。
・使い尽くされたゴースト設定にミスティの要素をプラスしてどこまでやれるのか(ファンタジーの不自然さから目を逸せる以上の効果があるのか)、とりあえず2話目を見てみよう。
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・2話目は途中まで見た。ゴーストではなく謎解きがメインだったのか。
その他の出会ったドラマたち
今夜すきやきだよ:今日が楽しかったからは理由になる。
リバーサルオーケストラ:眼鏡で素顔を隠す。
ひともんちゃくなら喜んで!:眼鏡で酒を飲む。
女神(テミス)の教室:似合っている眼鏡。
警視庁アウトサイダー:似合わないサングラス。
忍者に結婚は難しい:住環境のいい忍者。
ヒヤマケンタロウの妊娠:斎藤工が電車に乗っていた。
星降る夜に:吉高由里子がキャンプをしていた。
花嫁未満エスケープ完結編:デザイナー。
ブラッシュアップライフ:車中で話していた。
Get Ready!:病室で話していた。
大病院占拠:病院に鬼のお面が。
ハマる男に蹴りたい女:ビールを飲んでいた。
スタンドUPスタート:橋から落ちていた。
罠の戦争:親の七光。
cinnamon-scented.hatenablog.com
よき宴を。